社員インタビュー

受験突破を目指す小学5、6年生に向けて国語を教えています。学年によって授業内容は異なり、5年生には文章の読み取り方などの基本を中心に、6年生には学校別の入試傾向を踏まえながら、具体的な問題の解き方を指導しています。プレッシャーが強いのはやはり6年生ですね。毎年、合格発表の時期になると、私の方が先にお腹が痛くなるくらいです（笑）。ただその分、合格の知らせを聞いたときの喜びはひとしお。保護者の方からお電話をいただくと、実力を発揮できて本当によかったと、心からそう思います。

しかしながら、どれだけ頑張っても、志望校に届かない場合もあります。だけど、その生徒がSAPIXで過ごした時間が無駄だったかというと、決してそんなことはありません。以前、合格発表後に、ある生徒が私に電話をかけてくれたことがありました。「先生、第一志望はダメだったけど、第二志望の学校の中で一番になるよ」。きっと私に気を遣って前向きな言葉を発したのでしょう。自分自身がつらいときに相手を気遣うなんて、大人でもできないことです。そのときは涙があふれそうになって、「君のことを誇らしく思うよ」と、そんな言葉をかけるのがやっとでした。どんな結果でも、受験は子どもたちを大きく成長させます。彼らをすぐそばで見守り、彼らと一緒に成長していけること。それがこの仕事の醍醐味です。

一方で、受験シーズンは緊張感が漂いますが、普段の教室は明るい雰囲気に包まれています。背が高くていつも白いシャツを着ているからと、私を「ホワイトアスパラガス先生」と呼ぶ生徒もいるくらいです（笑）。私も授業で用言の定義を分かりやすく理解してもらうために、動詞、形容詞、形容動詞の3つをトリオのお笑い芸人に例えたりと、授業に親近感を持ってもらうための工夫は惜しみません。そういった学びの楽しさも、受験の厳しさも、両方を味わってほしいという気持ちで、日々の授業に取り組んでいます。

大学時代に塾講師のアルバイトをしていて、そのとき一番お世話になった先生が日本入試センターに入社されたことが、この会社に興味を持ったきっかけです。「尊敬するあの先生が選んだなら間違いないだろう」という信頼があり、実際にその選択は正しかったと思っています。

ただアルバイトでの指導経験があるからといって、入社後も同じスタイルが通用するわけではありませんから、そこは気持ちを新たに研修に臨みました。SAPIXの指導方針を理解し、他の先生の授業を見学して「ここは真似しよう」と思ったポイントを取り込みながら、自分なりの授業を確立していきました。

この会社の魅力は、教師が力を発揮するための労働環境が整っていることだと思います。塾業界は良くも悪くも生徒の合格が一番で、教師の労働環境はどうしても二の次になりがち。かつてアルバイトをしていた塾でも、夜遅くまで働く社員の姿をよく目にしたので、塾で働くとはそういうことなのだと思っていました。しかし、この会社では定時を超えて働くことはほぼありませんし、オンとオフの切り替えもうまくできています。指導に対する情熱が根性論ではなく、ビジネスに落とし込まれている印象です。教師のコンディションが良くなければ指導だってうまくいかないでしょうし、それが授業の質や合格実績につながっているのではないでしょうか。

私はまだ自分の授業に確固たる自信が持てないときがあり、「もっと良い指導ができたのでは」と考えてしまうことがあります。ただ1年を振り返ったときに、「ここは生徒たちに伝わった、共感が得られた」と感じるポイントもあるので、その手応えをしっかり積み重ねていきたいと思っています。そしていずれは「自分についてくれば大丈夫」という雰囲気を醸し出せる教師になることが目標です。
国語は、相手の気持ちを推し量ったり、自分が思っていることを分かりやすく相手に伝えたり、日常生活や人間関係の根本に深く関わっている学問。これからもそうした国語の魅力や面白さを、現場に立ち続けて教えていきたいと思います。